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「アルムナイ採用」を取り入れるメリットと導入ポイントをご紹介!

採用面接経験者に共通する悩み事といえば、応募者の人間性を見抜くことです。「日本の人事部」の調査によると、なんと74.6%の人が応募者の本来の性格や人間性を見抜くことが難しいと応える結果になりました。莫大な採用コストと労力がかかる採用活動を通して、やっと人を採用したら自社と合わずにすぐに退職してしまうハメに…。そんな悩みを解決する採用方法が「アルムナイ採用」です。今回は「アルムナイ採用」のメリット、実際に導入した企業の事例などを御紹介します。

更新日:2024年5月1日

アルムナイ採用とは?

アルムナイ採用とは、自社の退職者・離職者を再度雇用する方法です。日本では少子高齢化によって労働人口が減少し人手不足が深刻化しているため、一度退社した人材を再雇用することで労働力の確保をする動きが少しずつ出てきました。社員からの紹介で人材を採用する「リファレンス採用」や結婚や育児、介護などの私生活の事情で退職した人を対象に採用する「ジョブリターン制度」とは少し異なります。

特徴

ここでは、アルムナイ採用を取り入れることによってどのようなメリットがあるのか、3つの観点で紹介します。

  • コスト削減

    転職サイトや転職エージェントなどの求人媒体を利用せずに採用できるため、コストがかなり抑えられます。また、一度は社内で働いている人なので業務内容や社内システムにも精通しているため、教育コストが削減できます。

  • 新たな知見・スキル

    別の会社や業界で培った経験や知識を発揮してくれることが期待できます。また、一度退職し客観的に会社のことを見ることができるため、課題や改善点を挙げてもらい、自社の強化につながります。

  • 企業イメージアップ

    一度退職しても採用してくれる企業というイメージアップやもう一度戻りたいと考えてくれる社員がいるということは待遇や社内環境が良好だとアピールすることができます。

    • 留意点

      アルムナイ採用はメリットがある反面、当然デメリットもいくつかあります。

      人事・賃金制度の再考

      アルムナイ採用で再入社した人材のポジションや給与を中途入社の社員として設定するのか、以前の在籍経験をベースをもとに決定するのかが考えられます。そのため、人事・賃金制度を整えておかないと、混乱を招き既存社員の不満を募ることになってしまいます。

      現役社員への配慮

      過去の就業当時と再雇用時で社会環境や人間環境が変わっていて、戸惑ってしまう可能性があります。また、一度退職ということは何らかの不満があったとも考えられるため、不満を解消し早期離職を防いだり、社内環境の変化に適応できるようにフォローしたりする必要があります。

      長期的な目線で取り入れる必要がある

      一度退職した社員が必ずしも自社に戻ってきてくれる保証はありません。また、大量採用が難しく人手が必要なタイミングで人員を確保することが難しい一面もあります。

      退職へのハードルを下げる可能性がある

      一度退職しても簡単に戻ってこれると社員が誤解すると、退職へのハードルが下がってしまうのが懸念点です。また、アルムナイ採用で戻ってきた社員の方が既存社員よりも待遇が好条件の場合、ずっと務めてきた社員の不満が高まってしまい、既存社員が退職してしまう可能性も加味しましょう。アルムナイ採用の基準を明確に設ける必要があります。一度退職した社員が再び戻ってきてくれるように円満に退職してもらい、自社に対してネガティブなイメージを持たれないよう適切な「出口戦略」イグジットマネジメント(Exit Management)を行う必要があります。

アルムナイ採用の事例5つ

実際にアルムナイ採用を取り入れた企業の事例を5つご紹介致します。

コクヨ株式会社

総合文具メーカーのコクヨ株式会社は、自己都合で退職した正社員を再雇用する「自己都合退職者再雇用制度」を取り入れています。結婚や出産・育児、転職など様々な理由で退職された社員を再度雇用することで、社外で培った経験や知識を自社に活かしてもらい、多様な働き方の推進を実現しています。採用・育成コストの削減と即戦力の確保を実現することで人材不足を補うことに成功しています。

パナソニックオペレーションエクセレンス株式会社

もともと育児・介護、配偶者転勤などで退職した社員を再び雇用する社員再就職制度がありましたが、転職者も対象になるかは明記されていませんでした。2018年には正式に人事部から社内でアナウンスがあり、そこから本格的に転職者も対象にした採用を取り入れ始めました。

株式会社IHI

アルムナイ採用者は就業当時と現在の労働環境が異なるため、離職を避けるために採用後もフォローが必要です。そのため、アルムナイ採用者と現役社員が交流できる活動を取り入れる必要があります。全く異なる業界でキャリアを積んできた人の経験談は現役社員の良い刺激になり、新たな発想を生むチャンスでもあります。また、主催者が「クイズコーナー」などを企画することで楽しみながら社員が自社の現状を知ることができ、自然とお互いが打ち解けられます。雑談を通して悩み事を解決したり新しいビジネス連携の可能性を見出したり、新たな価値を生み出すことができます。

サイボウズ株式会社

エンジニア・デザイナー向けのイベント「Cybozu Inside Out」を運営し、アルムナイ人材向けの交流イベントを行いました。自社の長所・短所を語りあう企画を設けることで社内の実情を知ってもらい、一度外部に出た人材からの客観的な視点で意見を伝えてもらうことで有意義な交流となりました。Facebookでイベントページ作りを企画したときは、募集期間が短い割に25名ものアルムナイ人材が参加したようです。ここでは、採用業務をメインとせずあくまで交流をメインとしアルムナイメンバー自身でネットワークを形成することを目的としていました。

アクセンチュア株式会社

アルムナイ人材をつなぐ「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」というポータルを運営しています。2024年1月現在で、30万人以上のアルムナイ人材が在籍し、78カ国でアルムナイの活動プログラムが実施されている巨大ネットワークです。自社の求人情報を掲載することでアルムナイ人材が戻りやすくするだけでなく、有能な仲間がお互いに支え合うことでその先のキャリアを拓くきっかけを生み出したり、お互いが協力することで知識や革新的なアドバイスを共有したりすることができます。

アルムナイ採用を活性化させる4つのステップ

ManpowerGroupの調査によると、自社でもアルムナイ採用の存在自体は浸透していても、導入までに至っていない企業は全体の3割という結果がわかりました。そこで、アルムナイ採用の取り組みを検討している採用担当者へアルムナイ採用を取り入れるステップを4つご紹介致します。

  • ネットワークの形成

    退職者向けにアルムナイネットワークと呼ばれる運営システムを作りましょう。退職者に同意の上で連絡先を交換し、退職後もコンタクトが取れるように準備しておきます。一番手軽な方法はSNSグループを作ることです。採用担当者は会社の現状を発信して社内の雰囲気や状況などをアルムナイ人材へ伝え、戻って来たいと思えるようにしてもらうことが重要です。

  • 交流会やイベントを開催

    アルムナイ人材むけの交流イベントを開催し、親睦を深める場を設けます。ネットワーク上だけではなく、オフラインで会うことでお互いの今の仕事に対する悩みを話したり、アルムナイと人材が今どんな経験や知識を持っているのかを把握します。

  • 繋がりを保つためのコミュニケーション

    採用担当者はアルムナイジンザイと定期的に連絡を取るようにします。アルムナイ人材と名がかよい写真がいる場合、プライベートでも交流を深めておけば、より自社に復帰してもらいやすくなります。採用担当者がアルムナイネットワークの管理・運営に積極的に取り組める仕組みを作りましょう。

  • 再雇用

    アルムナイ社員を聖写真として雇うことが難しくても業務委託やアルバイトとして仕事を依頼する方法もあります。どんな形であれアルムナイ人材を受け入れる時は、採用の基準と社内の体制を準備しておきましょう。基準に関しては勤続〇〇年、役職付きの方が対象などを制限をつけましょう。また、社内の体制については、アルムナイ人材の給与や待遇を中途社員として扱うのか、当時の就業していた条件に合わせるのかを明確にし、社内でもアナウンスを行い現役社員からの理解を得ることでトラブルをさkせることができます。

アルムナイ採用 未実施企業の75%が前向きに検討中!

プロフェッショナルバンクの「再雇用(アルムナイ採用)」調査によると再雇用を実施したことがないと応えた会社は33%存在しました。その33%の企業のうち、退職した人材を再雇用する「可能性はある」と応えた企業が54%、「可能性は大いにある」と応えた企業は21%、併せて75%の企業がアルムナイ採用を検討している結果がわかりました。 アルムナイ採用は今、絶大に注目されている採用方法であり、「現在戻ってきてほしいと思う人材」が69%もいることがわかりました。アルムナイ採用のメリットが大きくても、再雇用したい人材がいなければ制度として取り入れることができないため、戻ってきて欲しい人材がいることは重要です。 アルムナイ採用は多くの企業から一目を置かれている採用方法であり、うまくいかない現状を打破する1つの方法でもあります。ぜひ、アルムナイ採用のメリット・デメリットを理解して、採用活動を見直すきっかけにしてみてください。

まとめ

採用側もそうですが、求職者側も様々な企業を比較した上で応募されています。採用活動も転職活動も非常に多くの労力と時間がかかるため、入社後のミスマッチはお互いのためにも避けたいものです。労働は人生の多くの時間を占めるため企業側だけの利益を考えるのではなく、求職者側の配慮も不可欠です。だからこそ、顔を見ながら一対一の交流ができるアルムナイ採用を検討する価値は十分にあるといえます。

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