新卒研修に取り入れたいテーマとは?変化の時代を生き抜く力を育む研修
新卒研修は、新入社員が企業に馴染み、仕事に必要なスキルや知識を身につける重要な機会です。しかし、毎年同じような研修を実施していませんか?基本的なスキルや知識を身につけつつ、社会の変化や企業のニーズに合わせた面白い研修に取り組んでもらえれば、新入社員にとってもモチベーションやスキルアップに繋げられるまたとない機会になるでしょう。 本記事では、よくある新卒研修や新たに取り入れるべきテーマを紹介します。本記事を参考に、新卒研修の実施内容のポイントやコツを理解し自社の人材育成の取り組みに活用してください。
更新日:2024年1月30日
新たに取り入れたいテーマ いろいろ
新卒研修は、社会人としての基礎を身につけるための重要な機会です。近年では、社会の変化や企業のニーズに合わせて、新卒研修のテーマも変化しています。ここでは、新たに取り入れるべきテーマについてご紹介します。企業は、新しいテーマを取り入れた研修を導入することで、自社の人材育成をより充実できるでしょう。
キャリアデザイン研修
キャリアデザイン研修は、新入社員が自らの将来・キャリアを描くための研修です。キャリアデザイン研修を受ける際には、以下の3つのポイントを押さえることで、より効果的に学べるようにサポートできます。
キャリアデザイン研修
•自己分析を深める
•企業研究する
•目標を設定・達成する
研修を通じて、社員は自身の強みや弱み、興味や関心を理解し、目標を設定します。目標が明確になることで、社員は自分の力を発揮し、キャリアを実現しやすくなるでしょう。また、客観的な視点も養えるよう、フィードバックや自己評価の機会を設けてください。企業研究では、企業や業界の特徴、どのような人材が求められているかなどを理解できるようにしましょう。講義やワークショップなど、様々な方法で具体的なイメージが描きやすくなった社員にとって、業界や企業の最新情報は、理解を深めるうえで重要な役割を果たすでしょう。
目標を設定する時、参加者の意欲やモチベーションを高められるような目標設定の支援を行いましょう。具体的には、初年度の成果目標や職務スキルの習得、チーム内での役割など、実践的な目標の設定を支援します。これにより、新入社員は職場における自分の位置を理解し、組織への貢献への道筋を描くことができます。
自己啓発研修
自己啓発研修は、新入社員が自らの能力や可能性を伸ばすための研修です。自己啓発研修を受ける際には、以下の3つのポイントを意識して研修を受けてもらいましょう。
自己啓発研修
•自己啓発研修
•積極的に取り組む
•継続する
自己啓発は、スキルアップや精神面の成長を促すことで、個人としての成長を実現できます。また、業務の効率化や仕事への意欲の向上など、組織への貢献も期待できるでしょう。自己啓発研修を開催する際、社員が何を学びたいのか、何を身につけたいのかが明確になるように工夫すると、研修の効果を最大限に高められます。社員一人ひとりが自分の目的を明確にするには、自己分析を通じて自分の強みや弱み、興味や関心を把握し、将来のキャリアを描くことが重要です。自己啓発研修では、講師や受講生の様々な経験や知見から、学びや気づきの機会が得られます。しかし、自己啓発は短期間で成果が出るものではなく、継続的に取り組むことで成長を実感できます。そのため、目標を設定して定期的に振り返り社員に合った学習方法を探すことが求められています。
AI/データサイエンス研修
AI/データサイエンスは、近年あらゆる産業において急速に普及しつつある技術です。そのため、新入社員がこれらの技術を理解し、活用できる人材となることが求められています。AI/データサイエンス研修を受ける際には、以下の3つのポイントを意識して研修を受けてもらいましょう。
AI/データサイエンス研修
•AIの基礎をしっかりと身につける
•実際の課題解決に取り組む
•最新動向を学ぶ
•技術的スキルの向上
•問題解決能力の強化
•論理的な意識の育成
AI/データサイエンス研修の目的は、AI/データサイエンスの基礎知識を身につけ、実務に活用できるスキルを習得することです。そのため、講義に加えて実践演習型の研修を実施し、企業の課題解決に取り組む機会を提供してください。AIを業務に活用している割合のほうが少ないので、初回の2回ほどは「AIとは何か?」「どのような仕組みになっているのか?」などの基礎的な部分から説明するとよいでしょう。基礎的な言葉などを理解してもらった上で、ツールやデータを活用することで日々の業務にどのような活用ができるのかを実践してみせていきます。その際に、職種別の活用方法があると分かりやすいです。その上で、今後AIを使った仕事や事業などを通してどのような未来になるのか、今後どんなトレンドが起こりうるのかも説明していき、各自がAIを活用した業務や未来を考えて動けるようになることが理想です。
クリエイティブスキル研修
クリエイティブスキル研修とは、デザイン・イラストレーション・写真・動画編集・3DCGなどのクリエイティブスキルを身につけるための研修です。クリエイティブスキル研修では、以下の3つのポイントを意識して研修を受けてもらいましょう。
クリエイティブスキル研修
•基礎をしっかりと身につける
•実践的なトレーニングする
•最新動向を学ぶ
クリエイティブスキル研修の目的は、最新の動向やスキルを身につけ、実践的なトレーニングを通じてクリエイティブスキルを高めることです。そのため、基礎をしっかりと学び、講義だけでなく実践的なトレーニングも実施してください。実践的なトレーニングでは、自分の制作物を作成し、講師や他の社員からの意見やアドバイスを参考にしながら改善していきます。これにより、自分の現在のスキルを客観的に評価し、トレーニングをより効果的に進められるでしょう。また、クリエイティブに関する技術や考え方は日進月歩で進化しています。研修で最新動向を学ぶことで、常に最先端の技術を身につけられるため、新入社員が社会人として成長するためにも役立ちます。
グローバルスキル研修
グローバルスキルとは、世界に向けたビジネスや交流において必要なスキルの総称です。グローバル化が進む現代において、グローバルスキルを身につけた人材の需要は高まっています。そのため、新入社員がグローバルスキルを身につけ、活躍できる人材となることが求められています。グローバルスキル研修を受ける際には、以下の3つのポイントを意識して研修を受けてもらいましょう。
クリエイティブスキル研修
•基礎をしっかりと身につける
•実践的なトレーニングする
•最新動向を学ぶ
クリエイティブスキル研修の目的は、最新の動向やスキルを身につけ、実践的なトレーニングを通じてクリエイティブスキルを高めることです。そのため、基礎をしっかりと学び、講義だけでなく実践的なトレーニングも実施してください。実践的なトレーニングでは、自分の制作物を作成し、講師や他の社員からの意見やアドバイスを参考にしながら改善していきます。これにより、自分の現在のスキルを客観的に評価し、トレーニングをより効果的に進められるでしょう。また、クリエイティブに関する技術や考え方は日進月歩で進化しています。研修で最新動向を学ぶことで、常に最先端の技術を身につけられるため、新入社員が社会人として成長するためにも役立ちます。
ファシリテーション研修
ファシリテーション研修とは、会議やワークなどのグループ活動を円滑に進めるためのスキルを身につけるための研修です。ファシリテーション研修を受ける際には、以下の3つのポイントを意識して研修を受けてもらいましょう。
ファシリテーション研修
•基本的なスキルを身につける
•実践的な経験を積む
•フィードバックを受ける
ファシリテーションは、会議やワークを円滑に進めるためのスキルです。ファシリテーターの役割は、参加者の意見や考えを引き出し、共有して力を発揮させることです。そのためには、傾聴力・質問力・対人関係構築力・議論をリードする力といったスキルが必要です。ファシリテーション研修では、これらの基本的なスキルを身につけるためのカリキュラムを用意してください。実践を通してスキルを身につけるため、実際に会議やワークを通じてファシリテーションする機会を設ける必要があります。
また、講師や参加者からのフィードバックは、自分のスキルを客観的に評価し、改善点を把握するのに役立ちます。
ファシリテーション研修を終えたあとも、フィードバックをもとに自分のスキルを磨き、より効果的にファシリテーションを行えるような
実践の機会を作りましょう。ファシリテーション研修は、業種や職種に関係なく、すべての人に役立つスキルを身につけられるため、ぜひ研修の開催を検討してください。
ソーシャルスキル研修
ソーシャルスキル研修とは、コミュニケーションスキル・リーダーシップ・プレゼンテーションスキルなど、対人関係を円滑にするために必要なスキルを身につける研修です。新卒研修では、ビジネスマナーやITスキルなどの研修が一般的ですが、近年では対人関係に悩む方が多いため、「ソーシャルスキル研修」を実施する企業が増えています。ソーシャルスキル研修を実施する際には、以下の3つのポイントを意識して研修を受けてもらいましょう。
ソーシャルスキル研修
•自分の課題を把握する
•実践を重視する
•継続的に学ぶ
ソーシャルスキルが向上すると、社員は仕事でのコミュニケーションやリーダーシップを発揮しやすくなり、より効果的に業務を遂行できるようになります。また、社員のモチベーションやエンゲージメントが向上し、仕事への意欲が高まると考えられます。ソーシャルスキル研修は、社員同士のコミュニケーションや協働を促す効果があるため、社員同士の理解や信頼関係が深まり企業の風土や文化が醸成されるのも特徴です。ソーシャルスキルは、一朝一夕で身につくものではありません。研修で学んだスキルは、実践を重ねることでより身につきます。そのため、ソーシャルスキル研修は、社員が学んだ知識を継続的に活用できるように、フォローアップやサポート体制を整えることが重要です。そうすることで、社員は周囲との良好な関係を築き、仕事やキャリアアップに役立てるでしょう。
新卒研修の活用事例紹介
よくある新卒研修から、新しく取り入れられるテーマまで、様々な新卒研修を紹介してきました。ここでは、企業が実際に取り組んでいる新卒研修の活用事例についてご紹介します。
株式会社みずほフィナンシャルグループ「キャリア支援の取り組み」
株式会社みずほフィナンシャルグループ「キャリア支援の取り組み」
- •社員一人ひとりの成長を重視
- •社員が自らのキャリアを主体的に形成できるように支援
社員一人ひとりの成長が企業の成長に繋がるという考えのもと、キャリア支援を実施しています。例えば、キャリア面談やキャリアアドバイザー制度を設け、自分のキャリアを自分で考える機会を設けているのが特徴です。新入社員入社時研修会をはじめ、職階や職位登用時の研修、能力・スキルを身につける研修など、様々な研修が体系立てて準備されています。また、通信教育や資格取得に向けた支援も積極的に実施しており、自宅でも利用可能な教育ポータルサイトを開放し、2014年7月からはスマホやタブレットからもアクセスできるようになり、使用しやすくなりました。
社員は、組織の期待に応えながら、自分の成長と会社の成長に貢献することが求められます。そのため、みずほフィナンシャルグループは、社員の多様な価値観や環境を尊重し、一人ひとり、自らが希望するキャリアを実現できるように支援しています。
参考:キャリア支援企業好事例集│厚生労働省/中央職業能力開発協会
ファミリーマート「自己啓発」
ファミリーマート「自己啓発」
- •主要な教育施策をビジネスカレッジとして体系化
- •活用を促す工夫
ファミリーマートは、社員1人ひとりが「自ら感じ・気づき・行動する」創造性とチャレンジ精神を重視している企業です。社員教育においても、自主性育てるために自己啓発を重視しており、ビジネスカレッジを整備し、6つの領域ごとに体系的に学べる仕組みを整えています。
自己啓発支援の環境が整っていても、利用する方がいなくては効果がありません。そのため、通信教育の開講時期を通年にし、成長したい方をすぐに支援できる体制をとっています。2014年からは、人財教育体系を一覧で見られるガイドブックを採用しています。ガイドブックには、全教育プログラムの内容の詳細が載っている他、全社の方針や教育を受けてどのような効果があったのか明示されているのも特徴です。ファミリーマートは、自己啓発の研修を通じて、1人ひとりが自らの意思で継続して学習する組織を目指しています。
参考:さまざまな場面で社員の成長したい意欲を引き出す(導入事例)│株式会社日本能率協会マネジメントセンター
日本ユニシス株式会社「新しいIT技術(主にAI、IoT)を活用した体験型の研修」
日本ユニシス株式会社
「新しいIT技術(主にAI、IoT)を活用した体験型の研修」
- •新しい技術であるAI/IoTを学ぶ講座
- •知識から経験へと昇華させる体験
日本ユニシスは新入社員研修として、AIやIoTを学び・体験できる研修を取り入れました。プログラミングや専門分野の知識がなくても、AIやIoTを業務の中で活用する考え方や注意点を学べる講座です。また、講座の中では、実際にチャットボットを作ってみる演習の時間も取り入れ、知識だけではなく経験を積める研修にもなっています。
同じ講座を学ぶ仲間と共に1つの作品を作りあげる協力体制、作業を通じて成長できる行動力など、社会人としての基礎力を得られる研修であることも特徴です。このように日本ユニシス株式会社は、座学で知識を学ぶだけではなく、体験を取り入れることで新入社員の可能性を引き出す研修を実施しています。
参考:Chatbot, New Hire TrainingNewIT技術(AI/IoT)を活用した体験型の新人研修(導入事例)│株式会社チェンジ
実践力とキャリア自律を育む、新卒研修の新しい形
新卒研修は、社会人としての第一歩を踏み出す新入社員にとって、非常に重要な機会です。研修で学んだ知識やスキルは、その後の業務やキャリアに大きく影響します。
近年、従来の座学中心の研修から、実践的な研修や体験を重視する研修へとシフトしています。これからは、今まで行っていた研修に加え、時代の変化に合わせたテーマを取り入れてみてはいかがでしょうか。