ChatGPTやAIツールはどう使う?具体的な活用方法や新たな可能性を紹介
近年、身近になったChatGPTやさまざまなAIツールは、人が書いたような文章や長文の要約など、幅広い業務の効率化に利用されています。しかし、「本当に正確な情報?」や「最新の情報なのか?」など疑問を抱く声も聞きます。そのため、ChatGPTは気になっているけれど、自分の業務にどのように活用すればいいかわからない方も多いのではないでしょうか。 本記事では、ChatGPTをはじめとしたAIツールの特徴や、職種別でのChatGPT活用方法など詳しく紹介します。ChatGPTを利用して業務の効率化を図りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
更新日:2023年12月26日
ChatGPTを始め、各AI系ツールの特徴を解説
ChatGPTを始め、現在はさまざまな種類のAIツールが利用可能です。ここでは、よく比較検討される4つのAIツールを紹介します。AIツールを活用するとどのようなことができるのか、料金や特徴など詳しく解説します(2023年11月 現在)。
ChatGPT
ChatGPTは、アメリカのAI研究開発機関「OpenAI」によって開発された生成系AIツールです。ChatGPTでは、主に以下の機能が利用できます。
- ・質疑応答
- ・文章の作成
- ・要約と翻訳
- ・プログラミング
ChatGPTは、自然な対話形式で質問に答えてくれます。例えば、FAQページを作る際には指示を出すだけで質問の内容や答えまで、下書きとして十分な内容を全て執筆してくれるため便利です。また、ChatGPTは人が書いたような文章が執筆できるため、ブログ記事・商品レビュー・広告コピーの作成など多くのコンテンツ生成にも役立ちます。ChatGPTは文書の概要や言語翻訳が得意なため、大量のテキストの短縮や異なる言語に翻訳するのにも便利です。プログラミングも得意としているため、コード生成やタグの説明など、開発者向けの役立つツールとしても活用できます。ChatGPTは登録すると誰でも無料で利用できますが、よりサポートが充実している有料プランは月額で20ドル必要です。有料プランの「GPT-4モデル」は、サーバーが混み合っていてもアクセスしやすいことが多く、質問を打ち込んでからの応答時間が短いだけでなく、新しい機能を先行利用できます。ChatGPTは自然言語処理(NLP)技術を採用しているため、人と会話しているかのような自然な文章を作成してくれるのも特徴です。そのため、気軽な雑談からWebコンテンツの文章作成の手伝いまで幅広い活用方法があります。また、以前は2021年9月までのデータにしかアクセスできませんでしたが、2023年9月から、有料プランであれば最新の情報にもアクセスできるようになりました。インターネットにある最新の情報にアクセスでき、情報源へのリンクが付け足されるなど、より使いやすくアップデートされています。
Bard
Bardは、検索エンジンでも有名なGoogleにより開発され、日本では2023年5月に試験運用が開始された対話型AIサービスです。Bardでは、主に以下の機能が利用できます。
- ・プログラミングのサポート
- ・文章作成のサポート
- ・文章の校正と校閲
Bardは、プログラミングのサポートとして便利に利用できます。「こんなものを実装したい」と指示を出すとコードの作成だけでなく、デザイン変更や機能の追加をするためのコードの提案も回答します。文章作成のサポートにも優れており、文章のアイデア出しや構成、表現のアドバイスをしてくれます。ユーザーが作成した文章の校正と校閲もできるため、誤字脱字や文法的な誤りの指摘も可能です。Bardの指摘を参考にすることで、自分の文章をより良いものにできるのです。BardはGoogleのアカウントを持っていれば全ての機能を無料で利用でき、Webサイトにアクセスして利用するためアプリのインストールの手間もかかりません。また、できあがった文章やプログラミングコードをコピー&ペーストしなくても、ボタンひとつでGoogleドキュメントやGmailに下書きとして残せます。Bardは、Googleとの連携だけではなく外部サービスとの連携も計画されており、より便利で効率的な利用が期待されています。
Bing
Bingは、Microsoftの検索エンジンBingにGPT-4モデルを組み込んだAIチャットです。Bingでは、主に以下の機能が利用できます。
- ・文章と画像の生成
- ・チャット履歴の共有と出力
- ・長い文章の要約
Bingは、人が作るような文章や画像を作成できます。文章は事実に基づくものから創作物まで、画像は風景や人物などさまざまな種類の画像が生成可能です。また、チャット履歴を簡単に共有したり、出力したりできます。チャット履歴を共有できれば、チームメンバーやクライアントと簡単に情報を共有でき、記録や分析に役立てられます。また、ニュースや論文のような長い文章の要約も可能です。Bingは、Microsoft Bing(検索エンジン)と連動しながら回答を導き出すため、リアルタイムの情報を反映できます。表示された情報の参照元が分かるようになっているため、情報の正確性についての確認も容易です。Bingの回答にはGPT-4モデルが搭載されているため、無料で最新の言語モデルが利用できます。また、文章の生成はもちろんのこと画像を用いた質問や回答が可能になりました。
Notion AI
Notion AIはNotionで利用できる、2023年2月にリリースされたサービスです。Notion AIでは、主に以下の機能が利用できます。
- ・要約と翻訳
- ・文章作成と校正
- ・ToDoリストの作成
Notion AIは、文章の要点や内容を短くまとめてわかりやすくできるほか、英語やスペイン語、ドイツ語などに翻訳もできます。文章の続きを作成したりたり不自然な表現のチェックもしたりできるため、より良い文章を作り出すサポートをしてくれます。また、Notion AIは文章だけではなくToDoリストも作成できるため、タスクを洗い出したり整理したりして、タスクやプロジェクトを見える化したい時に便利です。Notion AIは、Notionを利用しているアカウントに追加でき、年払いと月払いの2種類の料金プランから選択できます。年払いの時は月額8ドル、月払いの時は月額10ドルで利用できますが、Notion自体をフリープランで利用している方は月払いしか利用できません。Notionのアカウントがある方は、全ての機能を20回まで試せる無料トライアルが利用できます。
ChatGPTのメリット・デメリットを紹介
ChatGPTの機能を上手に使いこなすためには、、メリット・デメリットを理解しておく必要があります。
ChatGPTを活用するメリット
ChatGPTに、「ChatGPTを活用するメリットを300文字以内で執筆してください。」と指示を出しました。ChatGPTが執筆してくれた文章は以下の通りです。
「ChatGPTを活用するメリットは多岐にわたります。まず、迅速かつ正確な情報提供が可能であり、質問応答や情報検索が効率的に行えます。また、24時間体制で利用可能で、個別のニーズに合わせたカスタマイズも可能です。ChatGPTは多くのトピックに関する知識を持ち、幅広い分野でサポートができます。さらに、言語の壁を乗り越え、多言語翻訳や異なる言語でのコミュニケーションを円滑に行えます。最新の情報を反映させることも容易で、教育、カスタマーサポート、コンテンツ生成など多くの用途に適しています。 ChatGPTはコスト効率的であり、人的リソースを節約し、迅速な応対を提供できるため、ビジネスプロセスの最適化に貢献します。」
ChatGPTはアカウントを作成すれば誰でも気軽に利用できるAIツールです。上手に活用できれば、質疑応答・要約・翻訳・プログラミングなどさまざまな業務にも取り入れることができ、生産性の向上が期待できます。ChatGPTはインターネット上で収集した情報から学習しているため、多種多様な考え方が取り入れられます。そのため、アイデアが行き詰まった時や、自分にはない考え方を取り入れたい時に特に重宝します。また、ChatGPTは自然なコミュニケーションができるため、良き相談相手になるでしょう。
ChatGPTを活用するデメリット
続いてChatGPTに、「ChatGPTを活用するデメリットを300文字以内で執筆してください。」と指示を出しました。ChatGPTが執筆してくれた文章は以下の通りです。
「ChatGPTを活用する際のデメリットはいくつか存在します。まず、完全な自己学習モデルではなく、トレーニングデータに含まれるバイアスや誤った情報を反映する可能性があるため、信頼性に疑念が生じることがあります。また、モデルはあくまでテキスト情報に基づいて応答するため、人間の感情や非言語コミュニケーションには対応できないことがあり、深い対話や感情的なサポートには限界があります。さらに、プライバシーの懸念も存在し、個人情報や機密情報が漏洩するリスクがあるため、適切なセキュリティ対策が必要です。最後に、ChatGPTは決定的な情報ではなく、意思決定をサポートするツールとして利用すべきであり、全ての問題に対して正確な答えを提供するわけではないことを理解する必要があります。」
ChatGPTが執筆してくれた文章は、指定した300文字以内を超え、323文字でした。また、表現が日本語として身近ではないものが使用されることがあります。このように、表現として違和感のあるものや文字数が指示通りでない可能性があるため文章を引用する際には注意が必要です。また、ChatGPTはインターネット上の情報を学習して回答するため、全てが正しい情報とは限りません。インターネット上には、正しい情報・間違った情報・間違ってはいないが古い情報など、さまざまな情報があふれています。そのため、ChatGPTが回答してくれた情報を鵜呑みにせず、必ず正しい情報か人の目での確認が必要です。また、すでにインターネット上で公開されている情報を元に回答しているため、著作権侵害の可能性も考えられます。そのため、ChatGPTが作成した文章であっても、類似文章のチェックを意識してください。
広く知られている情報であればすぐに答えを導き出してくれますが、専門性の高い分野には情報が少ないため、対応が難しい場合があります。ChatGPTは、感情に訴えかける文章や具体例を交えた文章の執筆、または日本語の表現が不自然な場合もあります。自分が読む文章としてはそのままでも構いませんが、人に読んでもらう文章の場合には、そのまま利用せずに読みやすくなるように手直しが必要です。
注意点
ChatGPTでの会話の内容は、学習する情報として利用される可能性があります。そのため、機密情報やプライバシーに関する情報を扱う際には、ガイドラインやプライバシーポリシーを確認したうえで利用ルールを明確にしなければなりません。
職種別ChatGPTの活用方法
ここでは、職業別にChatGPTの活用方法を紹介します。日々の業務の中でChatGPTをどのように取り入れられるかが分かると、具体的にイメージできるようになるでしょう。
ChatGPTは業務の効率化が期待できるAIツールですが、導入前にはChatGPTを活用する範囲や、セキュリティ面ではどのようなことに注意するかという社内ルールの作成が必要です。紹介する内容を元に導入イメージを固めましょう。
デザイナー
デザイナー
ChatGPTは、デザインの分野にも活躍の幅を広げています。例えば、Webサイトを作ろうと考えた際に、
どのような構成にすればいいか、要素やレイアウトを考えてもらうことが可能です。指示を出す際には
「ワイヤーフレーム形式」と指示すると、文字の羅列ではなく、視覚的に分かりやすい回答がもらえます。
また、示されたレイアウト表示に合わせてHTML形式での作成もしてくれるため、
Webサイトのページを簡単に作成できます。
ChatGPTは指示を出されたことに関しては、抽象的なイメージを伝えても具体化させ、イメージを言葉で表現することも可能です。「〇〇のニーズに合わせた××をテーマにしたイラスト案を具体的に考えて箇条書きにして教えて」と伝えるとイラスト案を具体的に、箇条書きで回答してくれます。しかし、明確な指示がなければイメージした答えにたどり着かず、結果として遠回りしてしまうかもしれません。ChatGPTにどのように指示を出すかということが重要になるため、できるだけ具体的な指示内容にしましょう。
活用できる業務
- •Webサイトの構成を考える
- •Webサイトのテンプレートを作成
- •イラスト案の作成
エンジニア
エンジニア
アプリやWebサイトを正しく動かすためには、エンジニアがコードを入力する作業が不可欠です。ChatGPTを活用できれば簡単なコードの作成や、希望に沿ったコードを回答してくれます。
例えば、「画像がスライドされて入れ替わる表示の機能が欲しい」と伝えるとコードを回答してくれます。
このような活用方法により、作業時間の短縮につながります。また、バグが発生した場合には、コードを一つひとつ確認する作業が必要です。しかし、ChatGPTを活用すると、入力画面にコードを打ち込むだけでエラーの原因となる箇所を診断できます。
ChatGPTを活用してコードを出力した後は、コードに無駄がないかの確認をする必要があります。
エンジニアの仕事にChatGPTをうまく活用するためには、明確な指示を出し、
コードが複雑になる場合には分割して考えると欲しい情報が引き出せるでしょう。
活用できる業務
- •簡単なプログラミング
- •コードの作成
- •エラーの原因の特定
営業
営業
お客様に送るメールの作成や、他社製品と自社製品の特徴をまとめ・比較をするなど、指示を出すだけで営業活動の効率化と品質向上につながります。商品を紹介する際には、キャッチコピーや他の製品にはない特徴を言語化してもらうことも可能です。
例えば、ChatGPTに「ChatGPTのキャッチコピーを考えてみて」と入力すると、
「知識と会話を紡ぐ、AIの新次元。」という回答が返ってきます。あわせて、そのキャッチコピーを作った背景を
「このキャッチコピーは、ChatGPTが豊富な知識と自然な会話能力を兼ね備えていることを示唆しています。また、「新次元」という表現は、技術の進歩とそのポテンシャルの大きさを暗示しています。」
と説明も記載がありました。このようにChatGPTは、情報が多くまとめにくいものでも特徴を的確に捉え、
サポートしてくれるパートナーのような存在です。また、営業トークが苦手な方は、ChatGPTを相手に商談のシミュレーションや改善点の依頼もできます。営業の方は言語化してもらった情報を元に、ChatGPTによって洗い出してもらった改善点を意識しながら商談を進められます。
活用できる業務
- •メール作成
- •製品の特徴をまとめ、比較する
- •商談のシミュレーション
- •会議資料・議事録・報告書の作成
人事
人事
求人広告原稿の作成には、ChatGPTに「どのような人材を募集しているか」という募集条件を入力すると、簡単な下書きがすぐに完成します。複数パターン作成してもらった回答を下地にすれば、効率的に求人原稿を書き上げられるでしょう。求人に対して多くの応募があった場合には、書類選考や面接を複数人で
分担して行うかもしれません。評価基準が統一されていない場合には、人によって評価するポイントが
異なるため、適切な選考を妨げる恐れがあります。ChatGPTを活用して評価基準を明確化し
共有できれば、人によって違っていた評価基準が統一され、誰が担当しても適切な評価ができるでしょう。
ChatGPTに「新人研修にはどのような内容が必要か」や「何をやるべきか」と聞くと、具体的なメニューや
注意点などを回答してくれます。回答内容を参考に、研修をどのような流れで進めていけばいいかという
台本も簡単に作成できます。ChatGPTは人事業務の効率化に効果を期待できますが、全ての内容を
鵜呑みにしてはいけません。正確な内容でない場合や、会社独自の考えも含める必要があるため、
参考程度にとどめてください。
活用できる業務
- •求人広告の下書き
- •書類選考の評価基準の作成
- •面接時の質問の作成
- •研修のアイデア出し・台本作成
総務
総務
幅広い業務内容と人材不足の問題を抱えていますが、ChatGPTを活用できれば、業務の効率化と
従業員の負担軽減にも貢献します。例えば、作成したい書類の目的・テーマ・記入する内容・条件を
入力すると、その書類に合った文章が作成されます。数値を入力するとグラフや表が作成できるため、
より見やすい書類作成が実現可能です。会議中は、議題に上がった内容や進行を入力すると、
会議のアジェンダや議事録をChatGPTが作成してくれます。また、総務は社内外からの問い合わせが
多い部署であるため、社内FAQやメールの作成業務をChatGPTに任せることで、業務の効率化に
貢献できるでしょう。
活用できる業務
- •書類の作成
- •会議のアジェンダや議事録の作成
- •業務マニュアルの作成
- •社内FAQの作成
公務員
公務員
簡単な業務やルーチン作業の効率化が期待されています。
しかし、公務員は機密事項や個人情報に触れる機会が多いため、ChatGPTの導入する際には
「どの内容にChatGPTを活用するのか」というルール作りと運用マニュアルの作成が必須です。
ChatGPTに行政情報を追加学習した「公務員専用ChatGPT」も開発されるなど、公務員はChatGPTを活用して業務の効率化が進められています。公務員専用ChatGPTは全国191の
自治体職員に活用されており、AIツールを効率的に取り入れることで、将来の人手不足問題にも
柔軟に対応できると期待されています。
活用できる業務
- •挨拶文の作成
- •催促書類の作成
- •企画書の作成
- •アンケート作成
注意点
ChatGPTでの会話の内容は、学習する情報として利用される可能性があります。そのため、機密情報やプライバシーに関する情報を扱う際には、ガイドラインやプライバシーポリシーを確認したうえで利用ルールを明確にしなければなりません。
まとめ
ChatGPTをはじめとしたAIツールは、人間が書いたような文章をすぐに生成できるだけでなく、自分にはない多角的なアイデア出しも可能です。そのため、業務の効率化やビジネスを大きく広げるチャンスとして活用できます。社内でChatGPTを導入する際には、ChatGPTのナレッジを共有し、業務の効率化や生産性の向上を進めていきましょう。ChatGPT導入に向けた研修会や勉強会を開催し、ChatGPTに対する理解を深める取り組みもおすすめです。