ゆるブラック企業の特徴とは?企業体質を変えるためにできることも紹介
ブラック企業でもホワイト企業でもない、ゆるブラック企業をご存じでしょうか。ゆるブラック企業は、残業もなく無理なノルマもないため、見かけ上は働きやすい企業です。しかし、ゆるブラック企業は「スキルアップが実感できない」や「いつもの業務でだらけてしまい生産性が上がらない」など、働く社員と企業のどちらにとってもメリットはなく、課題を抱えていると言えます。 本記事では、ゆるブラック企業の特徴や、ゆるブラック企業体質を変えるための方法など詳しく解説しています。自社のゆるブラック度スピード診断チェックリストも用意しているため、自分が働く会社がゆるブラック企業か気になった方はぜひご活用ください。
更新日:2023年12月1日
ゆるブラック企業は、働く人にとっては成長の機会を潰してしまったり、企業にとっても優秀な人材を逃がしてしまったり、どちらもチャンスを逃す結果となります。自分では気づかないうちに、「ゆるブラックになってしまっていた・・・」「良かれと思ってやってきたことが・・・」など起こり得ます。まずは現在の状況が“思わぬゆるブラック”になっていないか、チェックしてみましょう。もし当てはまることがあれば、どう改善していくべきかを後半でご紹介していますので合わせてご覧くださいませ。
気づかないうちに「ゆるブラック」になってしまってませんか?
まずはチェックしてみましょう!
- 残業は基本的になし
- 給料は高くないが低くもない
- 昇給は少ないが毎年ある
- マニュアルに沿った業務内容で簡単に覚えられる
- 仕事に対するやりがいはないが、厳しくもない
- 離職率は少なく、いつも同じメンバー
- パワハラや暴力はなく、和やかな雰囲気
- キャリアアップが望めない
このチェックリストの中の、0〜2個当てはまる方はゆるブラック企業度が低いと考えられます。3〜5個当てはまる方はゆるブラック企業度がやや高いと考えられ、6〜8個当てはまる方はゆるブラック度が非常に高い可能性があります。
万が一当てはまる方は、会社と自分の成長を止めないためにも、ゆるブラック企業の体質を変えることが重要です。ゆるブラック企業の体質を変える具体的な方法は、次の章で詳しく解説します。
「ゆるブラック」とは何?ホワイト企業やブラック企業とは何が違う?
若手世代の間でよく聞かれるようになってきた「ゆるブラック企業」。ゆるブラック企業とは、ブラックでもホワイトでもない企業のことを指し、パープル企業とも呼ばれます。ブラック企業のようにパワハラや法令違反はなく、ホワイト企業のようにやりがいがある仕事でもありません。つまり、ゆるブラック企業は居心地が悪い訳でもないため辞める理由もないまま働き続け、スキルアップができず自分の成長を実感できない企業のことを指します。下記の中間のような企業が、「ゆるブラック企業」に当てはまることが多いです。
ホワイト企業
- •残業がない、または残業時間が少ない
- •福利厚生が整っている
- •仕事内容の肉体的・精神的負担が少ない
- •コンプライアンス意識が高い
- •教育や評価制度が充実している
ブラック企業
- •長時間労働
- •多すぎるノルマ
- •残業代の未払い
- •パワーハラスメント
特徴1:残業は少ないがスキルアップも期待できない
ゆるブラック企業は、残業も少なく働くことは楽だと感じるが、自分のスキルアップに繋がる仕事ができていないと感じることが特徴として挙げられます。残業がないため体力的にも無理はなく、定時で帰れるためワークライフバランスも整っていると感じ、一見すると働きやすい環境とも言えるでしょう。
しかし、新しい業務に挑戦することなく、日々同じ仕事を繰り返し行っているだけでは、長く働き続けていてもスキルアップは実感できません。人はストレスが極端に少ない環境にいると集中力がそがれ、向上心を持てなくなってしまう可能性があります。ゆるブラック企業のようにストレスも向上心もない労働環境は、緊張感のない職場となりやすいため注意が必要な状態です。
特徴2:会社や自分の将来性をイメージしにくい
ゆるブラック企業は日々の業務の中で成長を感じにくいため、自分のキャリアビジョンや会社の将来性をイメージしづらい特徴もあります。会社から求められている役割と自分がイメージするキャリアに乖離がある状態では、仕事へのモチベーションが維持しにくく、キャリアアップも実感できません。例えば、自分が入社10年目の先輩と同じ業務を担当している場合、自身の将来像をその先輩に重ねてイメージすることがあります。将来を想像した先に成長した自分の姿が思い描けないと、なかなかモチベーションが上がらないかもしれません。このように、会社から求められていることと自分自身が望むキャリアに乖離があることが大きな問題と言えます。
人が成長していくためには、適度に壁を乗り越え「少しずつステップアップしている実感」が必要です。しかし、ゆるブラック企業は毎日同じ仕事を繰り返し、責任ある仕事を任せられることもないため成長を実感できません。その結果、優秀な人材は企業の将来性に不安を持ち、自分のキャリアパスが思い描けない危機感から転職してしまう可能性もあります。
特徴3:離職率が低い
ゆるブラック企業の特徴には、離職率の低さも挙げられます。業務内容には慣れており、労働環境も厳しくないため社内の雰囲気は和やかです。最低限、与えられた仕事をこなしていけば給与がもらえるため、仕事自体は楽だと感じる方もおり、特に辞める理由もないまま働き続けています。離職率の低さがぬるま湯のような職場環境に起因しているのであれば、生産性の低下や業務の改善ができない危険性も考えられるでしょう。
「ゆるブラック企業」を改善するため
ゆるブラック企業に勤め続けていると、スキルや実務経験もなく年齢だけ重ねてしまう結果となります。そうならないためにも、社員のスキルアップやモチベーションを高められるような研修や勉強会の実施がおすすめです。ここでは、マインドセットやスキルアップに着目した研修の種類をピックアップして詳しく解説していきます。
社員がスキルアップできるような研修制度を見直す
研修と一言で言っても、企業側の目的と社員側の目的は違います。企業側は人材教育や育成を目指し、その会社で働いていくうえで求められるスキルや技術を身につけるための研修です。一方、社員はスキルアップを目指し、数ある研修の中から自分のキャリアプランや目標に合わせた研修を選びます。
技術が身につけられる研修であれば、社員も自分自身がスキルアップしているように感じるためモチベーションアップにも繋がるでしょう。また、スキルアップだけではなく、自己啓発を促すような精神面での研修もおすすめです。以下のような研修をぜひ検討してみてください。
- •キャリアデザイン研修
- •リーダーシップ研修
- •管理職向け組織マネジメント研修
- •コミュニケーション研修
成果が正当に評価されるよう評価制度を整える
「頑張っていることが正当に評価されない」「自分の成果がどう評価に反映されているかが分からない」となると、やりがいやモチベーションが低下していきます。評価制度はあっても不透明であったり、評価制度自体がなく属人化している場合は、全面的な見直しが必要です。人事担当の在り方も多様化しており、「評価制度の設計だけ行う」というフリーランスの人事も増えてきておりますので、社内にノウハウがない場合、そういった外部の力も借りて制度設計を行うのも一つです。
人事評価に関わってくる内容ですが、一つの部署や部門しか経験していないことでモチベーションが低下していくことがあります。そうならないためにも、人事評価制度を設計し直す際に、ジョブローテーションや配転教育をどうすべきかも合わせて検討すると良いでしょう。例えば、配転教育について、個人の状況によって都度検討するパターンと、「3年、5年、7年に1度、必ず配転を行う」と決めているパターンがあります。前者はその時々の個々の状況はもちろんのこと、部署や部門として「今、このメンバーがいなくなっては困るので配転はまた次のタイミングで」となってしまうことも考えられます。そうすると、“良かれと思って”判断したことが、長い目で見ると社員のスキルアップや成長、モチベーションを低下させてしまう可能性もあります。この記事をきっかけに、ぜひ検討してみてください。
社内プロジェクトにて交流を増やす
「ゆるブラック」は、「変化が少なく安心して働ける、安定している」と感じる人もいますし、「何だかやりがいがないな・・」と感じる人もいます。人によって捉え方が異なるので、判断が難しい部分ではありますが、日々の業務の中でスキルアップする機会、新しいことに挑戦する機会があれば、少なからず刺激になるはずです。例えば、何かのプロジェクトを通して各部門や部署からメンバーを招集して、交流を深める、いつもとは異なるコミュニケーションを取る、インプットをする機会を設けるのも一つです。
研修や勉強会の開催はミーティングスペースAPにおまかせ
ゆるブラック企業は、社員にはスキルアップやキャリアビジョンが見えず、企業にとっても生産性が低くなりやすいため注意が必要です。ゆるブラック企業の体質を変えるためには、社員のスキルアップやモチベーションを高められるような研修や勉強会の実施がおすすめです。スキルアップできていると感じられれば、自分の成長を実感でき、キャリアビジョンが明確になるなど嬉しい効果が期待できます。
研修や勉強会、セミナーや展示会などなどを開催の際、「自社のスペースだと手狭だな」「ちょっと、場所的に集まりづらいかな」とお感じの際は、東急グループの貸し会議室 ミーティングスペースAPをご活用ください。ミーティングスペースAPは、オンラインを活用したウェビナーにも対応しており、一度に多くの社員に研修や勉強の機会を提供できます。研修会や勉強会の会場をお探しの方は、詳細が決まっていなくてもお気軽にご相談ください。