会議室の席次マナーを解説!上座と下座はどっちが正しい?

更新日:2025年03月27日
社会人として心得ておくべき常識の1つが「席次マナー」です。特に「上座」と「下座」は必ず覚えておくべき点ですが、実際には「どっちが上座?下座?」と混乱する方も少なくありません。会議や打ち合わせなどで、相手を不快な気分にさせないためにも、しっかりと覚えておきましょう。
席次マナーで知っておくべき「上座」と「下座」とは
「上座」と「下座」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。席次マナーにおける上座とは、立場の高い人が座る席にあたります。この席には、自分よりも目上の人や年長の人を通すのが一般的です。一方、下座は部屋内にいる人のなかで、一番年少の人や立場の低い人が座ります。
会議室における「上座」と「下座」の位置
対面形式のレイアウトで配置された会議室を参考に説明していきます。会議室の場合、出入り口から一番遠い席が上座です。順を追っていくと、上座の正面席、上座の隣席と続き、そして出入り口から一番近い席が下座となります。人数の増減があった場合や、異なるレイアウトの場合でも、基本的にはこの位置関係で成り立ちます。
会議に議長や進行役が同席する場合
会議によっては、議長や進行役が同席することもあります。まず、議長や進行役には出入り口から一番遠い真正面の位置に座ってもらいましょう。このような場合は、出入り口から一番遠く、議長や進行役にもっとも近い席が上座になります。
会議場所が応接室の場合
来客者の役職によっては、応接室で会議を行うこともあります。応接室は、出入り口から遠い方に3人掛けの長イス、出入り口に近い方に1人掛けのイスが置かれているのが一般的でしょう。この場合も、上座と下座の位置関係は変わりません。つまり、長イスの奥側が上座というわけです。そして、出入り口から一番近い1人掛けのイスは下座となります。応接室に来客者を通す際は、必ず上座である長イスに着席してもらいましょう。
ロの字型・コの字型における「上座」「下座」
次に、会議や宴席のレイアウトで用いられるロの字型やコの字型の席次について、それぞれの上座と下座の決め方を解説します。窓や大型モニターの配置がある場合の影響についても触れていきます。
ロの字型レイアウトの席次
ロの字型はテーブルが四角く配置され、中央が空いているレイアウトです。この場合、最も入口から遠い長辺の中央が上座、入口に最も近い長辺の中央が下座となるのが一般的です。
窓がある場合は景観の良い窓側が上座になることが多いですが、会議では「入口から遠い位置」のほうが優先される傾向があります。
また、モニターを用いる会議において、モニターが部屋の片側に設置されている場合、正面から見られる位置が上座になることもあります。ただし、基本的にはルール入口から遠い方が上座というルールが優先されることが多いです。
コの字型レイアウトの席次
ロの字型の片側が開いたレイアウトが、コの字型です。開いている側(正面の中央)が上座、入口に近い長辺の中央が下座となります。
窓がある場合は、ロの字型と同じく窓際が上座になることもあります。モニターを用いる場合も基本的にロの字型と同様ですが、主催者の視線がモニターと一致しないと不便なので、配置によっては変更するケースもあります。
貸し会議室の場合はスタッフに確認するのもOK
自社の会議室ではなく、貸し会議室などを利用する場合は、特に勝手が分からないケースも多いはずです。その場合は、貸し会議室のスタッフに確認し、事前に上座下座の位置やレイアウトを確認しておきましょう。
私たちミーティングスペースAPはこれまで様々なタイプの会議やイベントを開催してきた実績があり、専任スタッフが親身にサポートしますので、不安な方は是非お問い合わせください。
海外と日本の席次マナーの違い
日本の席次のルールと、海外における一般的な席次の考え方には違いがあります。特に、日本では「左上位」、欧米では「右上位」の考え方が採用されることが多いため、海外からの来客がある場合には注意が必要です。
日本の「左上位」と国際的な「右上位」とは
日本では、伝統的に「左側が上位」とされています。飛鳥時代以降、中国の影響を受けて定着した「左上右下」の思想に由来し、礼法の基本として受け継がれてきました。たとえば、律令制では天皇から見て左側に左大臣、右側に右大臣を配置するように、主催者から見て左側が上位とされるのが原則です。会議や宴席においても、主賓を左側に配置するのが一般的です。
一方で、欧米諸国をはじめとする国際社会では、国際儀礼(プロトコル)において「右側が上位」とされる「右上位」の原則が広く定着しています。これは、国際会議や首脳会談、式典などの公式な場面で共通ルールとして機能しており、たとえばオリンピックの表彰台でも、金メダリストの右側(向かって左側)に銀メダリストが立つなど、その影響は明確に見られます。
海外からの来客がある場合の注意点
海外からのゲストを迎える際には、相手の文化や国際的な慣習に配慮して、「右上位」か「左上位」かを柔軟に判断することが重要です。特に、欧米諸国のVIPや外交関係者などを招く場面では、国際儀礼に準じた「右上位」での対応が適切とされるケースが多くあります。
日本国内での会議や宴席などでは、「左上位」に従った席次でも問題ありません。ただし、海外からのゲストが同席する場合には、「日本ではこのような配置が一般的です」などと、簡単な説明を添えることで混乱を避けられ、円滑なコミュニケーションにつながります。
席次マナーに関するまとめ
席次マナーは、ビジネスシーンや公式な場での円滑なコミュニケーションに欠かせない重要な要素です。基本的なルールとして、日本では「上座は出入り口から遠い席」「下座は出入り口に最も近い席」という原則があり、会議室や応接室、宴席のレイアウトによって配置が異なります。また、ロの字型・コの字型のレイアウトでは、入口からの距離や窓、モニターの位置などを考慮して席次を決定することがポイントです。
さらに、日本と海外では席次の考え方に違いがあり、日本では「左上位」、欧米では「右上位」が一般的です。海外からのゲストを迎える際には、相手の文化に応じた配置を意識し、必要に応じて説明を加えることで、より円滑な会議や商談を進めることができます。正しい席次マナーを身につけ、相手に配慮した席の配置を心掛けましょう。