【AP日本橋お役立ち情報局】今こそ、サービスプロフィットチェーンをまわそう!重要な意思決定でこそガラス張りで行く。意思決定後の伝え方を考える2025~顧客満足度UPと従業員満足度UP、そして企業収益追求は全て右肩上がりにしたい~【会話でわかるビジネスに役立つ知識シリーズ/第6回】
2024年12月 3日
こんにちは。AP日本橋お役立ち情報局、編集部の前田です。今年2024年も終了までに1か月を切りました。例年ここから体感的に時間が加速することは間違いないのですが、皆様ご準備はよろしいでしょうか。当施設でも来年のご予約の問合せラッシュが続いております。やはり今年中に会場を押えて余裕を持って新年を迎えたいという思いからではないでしょうか。1月~3月のご利用状況に関しましては、まだもう少しだけ余裕がありますので、まだのようでしたらぜひお早めにお問合せください。
さて今回のテーマは「社内情報共有について」です。このテーマは非常に重要で、しかも複雑なため、わかりやすく何回かに分けて解説したいと考えております。人生にはいろいろな障壁がありますが、人間関係ほど複雑なものはありません。特に会社においてはこの点が意外と軽視されているのですが、ものすごく重要です。最初は些細なことだったのに「聞いている」「聞いてない」「何やってるかわからない」「結局、最終目的は何?」「あの人だけ優遇されている」などの疑心暗鬼が発生し、情報の共有がなかったばっかりにボタンの掛け違いが延々と起こってしまう。会社ではありがちです。そういったことに少しでも参考になればと、私の見解を書かせていただきました。ほんとに、少しでも皆様のご参考になれば幸いでございます。
それでは以下、会話形式で進めさせていただきます。(登場人物は私ではありますが、フィクションです)
今こそ、サービスプロフィットチェーンをまわそう!重要な意思決定でこそガラス張りで行く
第0章:密室での意思決定がもたらす問題と情報共有の重要性
あるコンサル会社の一室にて(ご依頼人が来られているようです)
Aさん「前田さん、先日はお時間をいただきありがとうございます。今日はうちの会社で最近悩んでいることについて相談させてもらいたいんです。」
かなり深刻な様子のAさん、、、。かなり悩んでるようです。
前田「Aさん、こちらこそお越しいただきましてありがとうございます。早速ですが、具体的にはどのようなお悩みでしょうか?ゆっくりで結構ですよ。」
Aさん「実は、うちの会社では重要な意思決定がほとんどが密室で行われていて、現場の私たちは結果だけを知らされることが多いんです。そのせいか、社員のモチベーションが全体的に低くなっている気がしてまして、どうしたもんかと毎回悩んでいる次第です。そこで、ぜひご意見を伺いたく。」
前田「なるほど、意思決定の伝え方の問題ですね。それはよく聞く話ですね。意思決定が密室で行われるとプロセスが見えないので外から見たら、まったく状況がわからないということになる。しかし、些細な事だと決定者は従業員への説明を怠ってしまう。なので結果だけ伝えることになる。そうすると何が起こるかというと、従業員の【会社に対する不信感】がたまりやすくなりますね。ちなみに、Aさんの会社では、どんな形で意思決定が進められているんでしょうか?事前説明などはあるのでしょうか?」
Aさん「いや例えば、新しいプロジェクトが始まるときも、詳細が公表されるのは開始直前です。その間、なぜそのプロジェクトが重要なのか、どういう背景があるのか、それによる効果は何なのか?など、個別にはあるようなのですが、全社的には事前説明もなくといった状況でして、、、。全従業員に情報が共有されない仕組みなのです!」
前田「そうなんですね。結果だけ伝えられるのでは、従業員の方々も『自分たちが関与できていない』『関係ない』と感じてしまうかもしれませんね。それが会社全体のモチベーションに影響しているとすれば、確かに改善が必要ですね。個別最適化より、全体最適化を優先する方が何事もうまくいきます。」
Aさん「そうなんです。でも、情報を出しすぎると混乱を招くのではという懸念もあるみたいで...。このあたり、どうしたらいいのか悩んでいます。」
前田「その点もよく分かりますよ。会社では情報を一部の者だけに限定する傾向があります。それは先ほどAさんがいった理由のためです。ただし、情報を共有しないことで生まれるデメリットのほうが大きいこともあります。例えば、不透明な意思決定が【従業員の成長】や【チームの一体感】を阻害するケースが多いです。些細な事だと、ビジョンの情報共有や説明を怠ると、そこから不信感が派生し、ボタンの掛け違えが延々と続くことになる。そうなると結果は悪い方向に進むしかなくなりますね。」
Aさん「そうなんですね...。でも、会社は利益を追求する組織でもあるじゃないですか。そういう観点では【透明性を高めること】と【利益の追求】って両立するんですか?」
前田「Aさん、なかなかいい質問ですね。実はそこには密接なつながりがあります。例えば、会社の利益がしっかりと従業員に還元されると、従業員の満足度が向上しますよね。すると、その従業員がより良いサービスを提供し、結果的に顧客満足度が向上して会社の利益も伸びる。この流れを『サービスプロフィットチェーン』と呼びます。」
Aさん「なるほど...。ということは、従業員が会社の利益構造や意思決定の背景を知ることで、自分たちがどう貢献できるかを意識できるようになるんですね。」
前田「その通りです。利益を追求するという観点でも、"透明性を高めて情報を共有すること"は大切なんです。それでは、このテーマをもう少し掘り下げて、密室での意思決定がもたらす課題と、情報共有が利益にもたらすメリットを整理していきましょう。」
第1章: 密室での意思決定が招く組織の課題と全体最適化
Aさん「前田さん、改めて密室での意思決定がどんな課題を招くのか教えてもらえますか?」
前田「もちろんです。まず、密室で行われる意思決定の大きな問題点は、従業員が『なぜその決定に至ったのか』を理解できないという点です。背景やビジョンが見えないと、不信感や不安感が生まれやすくなります。そうです、そこに至るまでのプロセスが結構大事だったりします。」
Aさん「確かに。私たちも、『なんでこんな方向性なんだろう?』と思うことが多いです。説明がないんですよね、、、。」
前田「そして、この不透明感はさらに大きな問題を引き起こします。たとえば、以下のような状況が考えられます。」
(1)従業員のモチベーション低下
前田「意思決定に参加できないと、従業員は『自分たちは会社にとって重要ではないのかもしれない』と感じてしまいます。すると、主体性が失われ、単なる指示待ちの姿勢に陥りやすくなります。」
Aさん「それ、うちでも当てはまりそうです。何か新しいことが始まるときも、『どうせ私たちには関係ない』みたいな雰囲気がありますね。」
前田「そうなんです。意思決定の背景が共有されていないと、従業員がその決定に対して前向きに取り組む意義を見いだせないんです。」
(2)現場の知見が活用されない
前田「密室での意思決定は、現場の意見を無視する形になることも多いです。特に、現場で顧客対応をしている従業員の知見は非常に重要です。これが活かされないと、現場と経営陣の間で大きなギャップが生まれてしまいます。」
Aさん「確かに。現場の声が取り入れられていないと感じること、正直ありますね。」
前田「そのギャップが大きくなると、最終的には顧客満足度にまで影響します。現場の意見を反映できていない意思決定では、顧客が本当に求めているものとズレたサービスを提供するリスクが高まるんです。」
Aさん「ほんとにズレていると感じること多すぎるような気がします。」
(3)チーム全体の連携が崩れる
前田「最後に、意思決定が透明でないと、従業員の間で『なぜやるのか』を共有できず、チームの連携が弱くなります。一貫性のない動きが生まれることで、結果的に業務の効率も低下しますね。」
Aさん「チーム全体がバラバラに動いている感覚、最近確かにありますね...。意思決定の意図が分かっていないと、みんなが違う方向を向いてしまうんですね。」
前田「おっしゃる通りです。では、このような課題を解決するために、次に情報共有のメリットについてお話ししましょう。」
第2章: 情報共有が従業員と会社にもたらすメリット
Aさん「前田さん、密室での意思決定には色々な問題があることが分かりました。でも、情報を共有することで、どんなメリットが得られるんでしょうか?」
前田「いい質問ですね。情報共有には、従業員のモチベーション向上や業務効率化だけでなく、会社全体の利益を伸ばす効果もあります。いくつかのポイントに分けて説明しますね。」
(1)意思決定の背景が見えることで従業員の納得感が生まれる
前田「まず、意思決定の背景を共有することで、従業員が『なぜその決定に至ったのか』を理解できるようになります。たとえば、プロジェクトを立ち上げる理由や期待される成果が明確であれば、従業員は自分の役割をより意識して働けるようになります。」
Aさん「確かに、なぜやるのか分からないままだと、とりあえず指示通りに動くだけで終わりがちですよね。」
前田「そうです。納得感が生まれると、従業員は『自分もこの決定に貢献している』と感じるようになり、主体性を発揮するようになります。」
(2) 経営感覚を養い、全体最適の視点が持てる
前田「情報共有によって、従業員は会社全体の動きを把握できるようになります。すると、自分の部署や業務だけでなく、会社全体の利益や戦略を意識した行動ができるようになります。」
Aさん「それって、従業員が経営者の視点を持てるようになるということですか?」
前田「その通りです!たとえば、『このプロジェクトはどれくらいの利益を生むのか』『この決定が顧客にどう影響するのか』を考えるようになれば、従業員もただの指示待ちではなく、全体最適を目指した判断ができるようになります。」
Aさん「確かに、それができるようになると、現場での判断力も向上しそうですね。」
(3)サービスプロフィットチェーンによる利益の最大化
前田「情報共有が会社全体の利益にどうつながるかを説明するために、『サービスプロフィットチェーン』という考え方を紹介します。」
Aさん「サービスプロフィットチェーンですか?」
前田「はい。これは、『従業員満足度が高まると、従業員が顧客により良いサービスを提供するようになり、それが顧客満足度の向上、ひいては会社の利益拡大につながる』という理論です。」
Aさん「なるほど...。たしかに、従業員の満足度が上がれば、自然と顧客対応も良くなりそうですね。」
前田「その通りです。そして、従業員満足度を高めるためには、会社がどのように利益を出し、その利益がどのように自分たちに還元されているかを理解することが重要です。透明性を高めて情報を共有することが、従業員の信頼感と満足度向上につながるんです。人によっていろいろと志(こころざし)があるかと思いますが、結局のところ、突き詰めると従業員はお金を稼ぐために仕事をしています。」
(4)チーム全体の連携と業務効率の向上
前田「最後に、情報共有が進むと会社全体(チーム全体)で同じビジョンを共有できるようになります。その結果、業務の方向性が統一されて、無駄な手戻りが減るため、効率的に仕事が進められるようになります。目標はひとつです。」
Aさん「全員が同じ目標に向かって動けるようになるんですね。それが顧客対応にも良い影響を与えるわけですね。」
前田「はい。そして、それが最終的には会社全体の業績向上につながります。つまり、情報を共有することで従業員満足度、顧客満足度、そして利益がすべて連鎖的に向上するんです。これがうまく回っていくと、企業としてはいうことないのではないでしょうか。」
Aさん「すごくよく分かりました。情報を共有することが、こんなに多くのメリットをもたらすとは思いませんでした。」
前田「ありがとうございます。では次に、具体的にどのような形で情報を共有すれば、経営感覚を育てながら会社の利益を追求できるのか、実践的な方法をお話ししましょう。」
第3章: 情報共有が経営感覚を育てる理由
Aさん「前田さん、情報を共有することで従業員が経営感覚を持つようになるという話、とても興味深いです。でも、実際にどうしてそうなるのか、もっと詳しく教えてもらえますか?」
前田「経営感覚を育てるためには、従業員が会社全体の構造や利益の流れを理解することが重要です。そのためには、以下の3つの要素を情報共有の中で伝える必要があります。」
【1】財務の基本を共有する
前田「まず、会社がどうやって利益を生み出し、それをどのように活用しているのかを従業員が知ることが大切です。例えば、収益とコストのバランスや、どの分野に投資しているかを共有することで、従業員は自分たちの仕事が会社全体にどう貢献しているのかをイメージできるようになります。」
Aさん「たとえば、『このプロジェクトはこれだけの売上を見込んでいて、利益率がこれくらい』みたいな情報を共有するということですか?」
前田「そうです。従業員が『自分たちの努力が会社の数字にどう影響するか』を実感できれば、仕事への意識も変わります。財務の基本を共有することは、全員が経営の視点で考えるための第一歩です。」
【2】意思決定のプロセスを共有する
前田「次に、経営陣がどのような理由で意思決定を行っているのか、そのプロセスを共有することが大事です。たとえば、『この市場が成長しているから新事業に投資する』『この製品は利益率が高いから重点的に販売を強化する』といった判断の背景を知ることで、従業員も『経営者だったら自分はどう考えるか』とシミュレーションできるようになります。」
Aさん「確かに、ただ命令を受けるだけだと、判断力は育たないですよね。」
前田「その通りです。意思決定の理由を知ることで、従業員は『自分だったらこうする』と考える機会を得られます。これが経営感覚を育てる重要なポイントです。」
【3】 リスクと責任の共有
前田「経営には必ずリスクが伴います。新しいプロジェクトを立ち上げるときや大きな投資を行うときのリスクを説明し、その中でどのようにリスクを最小限に抑えるかを共有することも重要です。」
Aさん「リスクの共有ですか...。従業員にはリスクを隠したほうが混乱が少ないのではないですか?」
前田「一見そう思われがちですが、逆です。リスクを隠すと、意思決定の背景が見えなくなるため、従業員がその決定を軽視してしまうことがあります。一方でリスクを正直に伝え、責任を分かち合うことで、『自分たちもこのプロジェクトの成功に責任を持つんだ』という意識が芽生えます。」
Aさん「なるほど。責任を共有することが、従業員の成長につながるんですね。」
【実例】情報共有を活用した企業の成功例
前田「ここで、ある企業の例を紹介しましょう。この会社では、新しいプロジェクトを立ち上げる際、収益目標や投資額、想定されるリスクを全従業員に共有しました。また、定期的に経営会議の内容を報告し、全員がそのプロジェクトの進捗を把握できるようにしたんです。」
Aさん「それで、どうなったんですか?」
前田「結果的に、従業員全員が『自分たちが会社の利益にどう貢献しているか』を意識するようになり、各自のパフォーマンスが大きく向上しました。その会社は、プロジェクト開始から1年で目標売上を120%達成し、さらに顧客満足度も大幅に向上しました。」
Aさん「すごいですね。やっぱり社内情報共有が鍵なんですね。」
前田「そうです。社内で情報を共有することで、従業員の意識が変わり、会社全体の成長につながるんです。」
Aさん「経営感覚を育てるには情報共有が不可欠なんですね。よく分かりました。」
前田「ありがとうございます。では次に、実際に情報共有を進めるためにどのような仕組みを作ればいいのか、具体的な方法についてお話ししますね。」
第4章: 情報共有を進めるための実践的な方法
Aさん「前田さん、情報共有の重要性はよく分かりました。では、実際に会社で情報を共有する仕組みを作るには、どのような方法が効果的なんでしょうか?」
前田「いい質問ですね。情報共有を進めるには、単に『情報を公開する』だけでは足りません。従業員がその情報を理解し、活用できる仕組みを作ることが大切です。ここでは、具体的な方法を3つご紹介します。」
【1】 ポータルサイトやデジタル社内報で情報を見える化する
前田「まずは、社内で必要な情報を誰もが簡単にアクセスできる仕組みを整えることです。たとえば、以下のような方法があります。」
◆社内ポータルサイト: 会社全体の目標や進捗、意思決定の背景、イベント情報などを一元管理し、従業員がいつでも確認できるようにする。
◆デジタル社内報: 社内ニュースや社員インタビュー、新しい取り組みなどを定期的に配信し、全社の情報共有を促進する。
◆社内ラジオ: 経営陣や社員が出演し、プロジェクトの進捗や目標を音声で届ける。通勤中や仕事の合間に気軽に情報をキャッチできる仕組みとして有効。
Aさん「社内ラジオって面白いですね。うちでも取り入れられるかもしれません。」
前田「そうですね。特に音声コンテンツは、視覚的な負担が少なく、忙しい従業員にも気軽に情報を届けられるメリットがあります。重要なのは、従業員が必要な情報を簡単に見つけたり、気軽に触れたりできる環境を作ることが大事です。しかも、しゃべるだけなので、比較的ハードルが低いですよ。あとは、デジタル社内報も個人的にはかなりおすすめです。新聞的な感じで通勤時間とかにスマホで気楽に閲覧してもらえやすいです。更新する側も情報局ぽくて楽しいかと思います。」
【2】定期的な経営報告会を実施する
前田「次に、経営陣が直接従業員に意思決定の背景や進捗を説明する場を設ける方法です。たとえば、月に1回の全社ミーティングや四半期ごとの経営報告会が有効です。」
Aさん「報告会を行うことで、どんな効果が期待できますか?」
前田「大きな効果がありますよ。経営陣が直接話すことで、意思決定の背景や会社の方向性が明確になり、従業員の納得感が得られます。また、報告会で従業員からの質問や意見を受け付けることで、双方向のコミュニケーションも生まれます。直接話すことが結構重要だったりします。なかなか、社長と話をする機会ないですからね。」
Aさん「双方向のやり取りがあると、従業員も『自分たちの意見が聞かれている』と感じそうですね。」
【3】「見える化された数字」で経営状況を共有する
前田「具体的な数字を従業員に共有することも効果的です。たとえば、売上目標、利益率、コスト削減状況などを定期的に公開します。」
Aさん「数字を共有することで、従業員にどんな効果がありますか?」
前田「従業員が自分たちの仕事が会社の目標にどう影響しているのかを理解できるようになります。特に部門ごとの数字を共有することで『自分たちの努力が数字に反映されている』という達成感を感じることができます。あとはコメントですね。数字を共有して終わりっていう企業も多いのは確かです。その数字に対する会社としてのコメントを発表していくことも重要です。そうすることで、従業員側も経営陣と一緒に進めて方向性がぶれずに目的地まで行けます。」
Aさん「なるほど。自分の仕事が会社の利益にどうつながっているかを実感できるようになるんですね。」
【4】フィードバック文化を育てる
前田「最後に、従業員が経営陣に意見を伝えられる仕組みを作ることです。情報共有は一方通行ではなく、従業員からのフィードバックを受け入れることで初めて完成します。」
Aさん「たとえば、どんな仕組みが有効でしょうか?目安箱的な感じですか?」
前田「目安箱、、時代劇の見過ぎですね(笑)」
Aさん「かたじけない(笑)」
前田「例を出すとすると以下のような仕組みが考えられます。」
(1)匿名で意見を送れる仕組み(オンラインフォームなど)
(2)定期的な1on1ミーティングで直接意見を聞く場を設ける
(3)社内アンケートで会社の施策に対する満足度や改善案を集める
Aさん「従業員の声が会社の運営に反映されると、モチベーションも上がりそうですね。」
前田「その通りです。フィードバックを集めて改善に活かすことで、従業員が『自分たちも会社を支えている』と実感できるようになります。」
Aさん「これなら、情報共有が具体的にどう実現できるかイメージが湧きました。ありがとうございます!」
前田「よかったです。これらの仕組みを取り入れることで、透明性が高まり、従業員の意識や行動が変わるはずです。では最後に、こうした取り組みが長期的に会社全体にどのような効果をもたらすのか、まとめとしてお話ししましょう。」
【おまけ】密室での意思決定を変えるためのヒント!一般社員にできることとは?
Aさん「前田さん、一つ聞きたいのですが、仮に密室で意思決定を進めている現状があったとしても、一般社員の私たちに何かできることはあるんでしょうか?結局、そこで決められたやり方に従うしかないように思えるのですが...。」
前田「Aさん、そう思う方も多いですが、実際には一般社員でもできることはいくつかあります。直接、動かすのは難しいかもしれませんが、小さなアクションを積み重ねることで、少しずつ組織の文化やコミュニケーションの形を変えることができますよ。」
(1)情報共有の必要性を「提案」する
「まず、現状をただ批判するのではなく、情報共有の重要性を提案として伝えるのが効果的です。たとえば、ミーティングや提案書の中で以下のような形で主張してみてください。」
『背景を知ることで、現場での判断がスムーズになります』
『このプロジェクトの目的を共有していただけると、従業員全体のパフォーマンスが向上すると思います』
前田「重要なのは、情報共有が組織全体の利益になるという視点で話すことです。利益の向上にはやはり敏感ですから、こうした提案には耳を傾けやすくなります。」
Aさん「なるほど。単に『情報を出してください』ではなく、『こうするとメリットがありますよ』と提案するんですね。」
(2) 現場の声を集めて可視化する
「現場の従業員同士で意見を集めて、それを具体的なデータや提案としてまとめるのも有効です。たとえば、以下のような取り組みが考えられます。」
◆ 社内アンケートを実施して、従業員が感じている課題や意見を数値化する。
◆現場で起きている問題や課題をリストアップして経営陣に報告する。
◆『これだけの人が意思決定の透明性を求めています』と示すことで、説得力を高める。
Aさん「確かに、現場のリアルな声を見てもらえれば、考えを変えるきっかけになりそうです。」
前田「その通りです。数字や具体的な意見があれば、密室での意思決定を変えるための根拠になります。」
(3) 小さな範囲から透明性を広げる
「トップを直接動かすのが難しい場合、自分の部署やチーム内で透明性を高める取り組みを始めるのも手です。たとえば、以下のような方法があります。」
◆ チーム内でのミーティングで、プロジェクトの背景や進捗を共有する。
◆ 部署内で分かりやすい資料を作り、他のチームにも配布する。
◆成功事例を小さな範囲で作り、それを全社に広げていく。
Aさん「なるほど。自分のチームで成功例を作れば、それが会社全体に波及する可能性もありますね。」
前田「そうです。トップを動かすのが難しいなら、自分たちの手の届く範囲で変化を起こす。それが徐々に広がり、会社全体の文化を変えるきっかけになることもあります。」
(4) フィードバックの場を積極的に活用する
「会社に意見を伝える場がある場合、それを最大限に活用しましょう。たとえば、匿名意見箱や定期的な社員面談などで、次のような意見を伝えることができます。」
◆ 『このプロジェクトの背景を共有してもらえれば、より良い成果が出せそうです』
◆ 『もう少し現場の声を取り入れる仕組みがあれば、意思決定がスムーズになると思います』
Aさん「普段はそういう場があっても、意見を伝えない人も多いかもしれませんね。」
前田「そうですね。でも、少し勇気を出して意見を伝えることで、現状を変えるきっかけになることがあります。特に、前向きな言葉を使いながら建設的な提案をすると伝わりやすいですよ。」
(5)信頼関係を築く努力をする
「最後に、意思決定者と信頼関係を築くことも大切です。普段から報告や相談を積極的に行い、『この人は信頼できる』と思われれば、意見を受け入れてもらいやすくなります。」
Aさん「たしかに、信頼されていないと意見が通りにくいですもんね。」
前田「その通りです。信頼関係が築ければ『この人の意見なら聞いてみよう』と思いやすくなります。」
Aさん「具体的なヒントをたくさんいただきました!一般社員でも、こうした取り組みを地道に進めることで変化を起こせそうですね。」
前田「その通りです。密室での意思決定に悩むときこそ、小さなアクションを積み重ねて、組織全体の文化を少しずつ変えていきましょう。応援していますよ!」
Aさん「ありがとうございます!」